団地な人々の心を揺さぶる『スラム団地』

昨年、運命的な出会い(?)をした、松田奈緒子さんの
エッセイマンガ『スラム団地』が発売されていました。

松田奈緒子さんについて以前書いたのはコチラ
→ 2008年 最大の収穫?

スラム団地

スラム団地

子どもの頃、団地で暮らした松田姉妹の日常を描いたエッセイ。
あまり裕福ではないけれど楽しそうな家族の様子、学校でのアレコレなどが綴られます。
わたし自身、ちょっと形態は違いますけど「団地」で育ったので、
親近感が溢れまくり、今まで以上にファンになってしまいます。


中学の同級生に「マッチと結婚する」といっている人がいたり、
ドリフを見た話を学校でしていたりという背景から見ると、
どうもわたしよりは年齢が上のよう。40歳くらいかな? と、


年齢も違いますし、住んでいた地域も違います。
もちろん家庭環境も、団地の種類も違いますけど、
でも相通じる何かを感じます。この感覚は団地育ちの人なら
誰でも知っているし、解るものかもしれません。


団地ともお』を読んで、懐かしさを感じる人にはオススメ。
もちろん、団地とは何の関係もない人でも楽しく読めます。

団地ともお (13) (ビッグコミックス)

団地ともお (13) (ビッグコミックス)


団地って、同じくらいの収入や家族構成の人たちが、
同じような間取りの中で、同じような暮らしをしていることが多いですよね。
『スラム団地』の中でも、向かいの団地を見たとき、
同じ部屋の同じような位置にテレビがあり、みんなが『ドリフ』を見ていたという
エピソードがありましたが、団地暮らしってこのエピソードに集約される気がします。


それぞれが自分の好きな、個性のある生活をしていると思っているのに、
収入や間取りや家族構成が似ていると、
結局同じような没個性の生活をしてしまうという不思議。
とくに新築の団地だと、同じくらいの年の子どもが多くて、
同じ学校に通って、同じ公園で遊ぶから余計なんでしょうね。


「あのテレビ番組をみていないと会話についていけない」なんてことが
なくなっていますから、今は違うのかもしれませんけど。
(メカタ)