うるわしき夫婦愛!?『そう言やのカナ』

漫画ゴラク」で連載している、野村宗弘氏の
そう言やのカナ』1巻が発売されたので購入。

そう言やのカナ 1巻 (ニチブンコミックス)

そう言やのカナ 1巻 (ニチブンコミックス)


表題作は、顔の怖い専業主夫の夫(37歳)と、
夫を経済的に支える妻(22歳)の生活を描いた
ひと味違った夫婦愛(?)モノ。


タイトルは「そういえば……」という意味合いの広島言葉
“そう言やの”に、奥さんの名前“カナ”がくっついたもので、
旦那さんが、奥さんに「そう言やの、カナ」と思い出話をする……
という形式で続くショートストーリー。


怖い顔をしつつ、徐々に主夫に目覚めていく夫の姿が、
なんとなく面白い。


気に入ったのは、同時収録の『十ヶ所くらいの穴』。


結婚を半年後に控えた女性が、
ちょっとしたことで感じるマリッジブルーというのか、
やりきれない、もしくは乗りきれない思いを丁寧に描いている。


作者は男だが、女性の微妙な気持ちの変化や
何らかのキッカケで吹き出す思いや、
心の底に眠っている感情。


誰にでも少しは身に覚えのあるような心の動きを
少しズレた表現で書いているのが面白い。


自分は男性なので、完全に「わかる、わかる!」とは
思わないが、リアリティがある内容なんだろうな。多分。


野村宗弘氏の代表作は『とろける鉄工所』、通称「とろ鉄」。
基本は小さな鉄工所でのあるあるネタというか、鉄工所周辺の日常を
面白おかしく描いたマンガだが、主人公北さんと、北さんの奥さんとの
ほのぼのした生活も読みどころ。ここにも夫婦愛がある。

とろける鉄工所(1) (イブニングKC)

とろける鉄工所(1) (イブニングKC)


もうひとつの作品『ものものじま』はSF風味でこちらもオススメ。

ものものじま 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

ものものじま 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

(山科)