うしおととら

うしおととら 19完 (小学館文庫)

うしおととら 19完 (小学館文庫)

今更ですが『うしおととら

自宅の寺の蔵で妖怪を見つけた主人公・蒼月潮(あおつきうしお)。
はずみで槍で磔になっていた妖怪「とら」を、解放してしまう。
周囲を恐怖のどん底に陥れるほどの力を持つ妖怪「とら」を磔にしていた槍は、
人類を滅ぼさんとしている「白面の者」と唯一渡り合える「獣の槍」だった。
ひょんなことから獣の槍の伝承者となったうしおは、
「とら」と共に様々な妖怪との戦いを繰り広げ、やがて白面の者との闘いの中心になっていく。


数々の登場人物たちと、それぞれの抱く想い。
広げきった風呂敷の上に並べられたエピソードを、
力づくで畳み込んで、完結へと導いたイメージを受ける作品。


とにかく、読み始めると最後まで読みきらずにはいられない、スピード感と勢いを持っている。
ギャグや笑えるエピソードを盛り込みつつも、とくに終盤は、
涙なくしては読めないような名エピソードが続く。
「人間愛」に触れたい時に読み返すといいかもしれない。

(メカタ)