とめはねっ!

とめはねっ! 鈴里高校書道部 1 (1) (ヤングサンデーコミックス)

とめはねっ! 鈴里高校書道部 1 (1) (ヤングサンデーコミックス)

とめはねっ!』の1巻を読みました。毎週、雑誌掲載は追いかけてるんですが、単行本として読むとまた違う感想が。

「『とめはねっ!』は少年サンデーに掲載されるべきだ」という意見が書かれているブログを拝見しましたが、なるほど、少年誌向きだという見方もあるんですね。しかし、私個人としては、そうは思いません。

前作『モンキーターン』の中〜終盤ごろから、「少年誌でなかったらもっと違う展開になっていたんだろうな」という感想を持っていました。ゆうきまさみ先生の『じゃじゃ馬グルーミンUP! 』についても同じような気持ちです。これは「少年誌じゃなく青年誌だったらもっと面白くなった」という意味ではありません。あくまで、もっと違う表現や話の掘り下げ、構成になっていただろうなという私見です。

少年誌には少年誌の、そして青年誌には青年誌の良さや特徴があり、それぞれ読者層に合わせた表現範囲というものがあります。それらは雑誌の本質、理念ともいえるものなので、簡単に変えられるものではありません。ですので、掲載される漫画は「雑誌にふさわしい」かどうかは重要な基準です(近年、多くの雑誌が自縄自縛に陥いり、歩みを止めかけているのも事実ですが)。

河合先生は週刊少年サンデーという少年誌を舞台に長年活躍されてきましたが、現在は青年誌であるヤングサンデーにその場を移されました。小さな枠に収まるような漫画家さんではありません。漫画好きの一読者として、『とめはねっ!』は今までにない、これまでは隠されていた河合先生の魅力を知らしめてくれる作品だと確信と期待を持って読ませていただいております。ぜひこのまま、ヤングサンデーにて連載を続けていただきたいと思います。

(山科)