第7回日本マンガ学会大会 16日

D-yamashina2007-06-18


先日、16・17日の両日、日本マンガ学会の第7回大会にいってまいりました。

16日には京都市左京区京都精華大学で、マンガ研究者たちの研究成果発表が行われました。
発表者は大学の講師や、高校の先生、大学の博士課程の学生など、マンガを熱心に研究している人たちばかり。非常にアカデミックな内容でありました。

フランス独自のマンガ文化であるバンド・デシネ(BD)と、フランスの若者に人気のある『ドラゴンボール』や『NARUTO』など、日本のマンガを比較した「フランスにおける若者マンガ読者層とBD」(猪俣紀子)

『タッチ』などに見られるあだち充の描く“死者”と『リバーズ・エッジ』に代表される、岡崎京子の描く“死者”との相違を論じた「あだち充岡崎京子−両作家における死者像−」(舘野日出男)

そのほか、「手塚治虫《生命メタモルフォーゼ》」(石川翠)、「マンガ図象における『記号性』について」(岩下朋世)など、日本マンガや各国のマンガ事情、マンガの礎となった作家・作品、さらにはマンガの表現方法に関する内容まで、さまざまな観点から“マンガ”についての真面目な研究が発表されました。

個人的には、日本大学の非常勤講師をされている南雲大悟氏の「華君武による猪八戒イメージの利用」は大変分かりやすく、初めて知ることばかりでしたが大いに興味をそそられました。華君武は90歳を越え今も現役の、中国の諷刺漫画家さんです。
「華君武の作品は中国ではどういう位置づけなのですか?」という聴講者の質問に対して、南雲氏は「若い人は誰も読んでません!」と答え、会場を笑わせていました。

学会なんてものに縁のない私なので、他と比べようがないのですが、残念なのは「時間管理」。発表者のみなさんが皆、大幅に持ち時間を越えた発表をされていたので、司会の方も進行を苦労されていた様子。途中で、切り上げられてしまった発表者もおられ、残念でした。

このような漫画について真面目に考える機会は、私にとって非常に刺激になりました。ダラダラと寝転んで、お菓子食べながら漫画読むのも大好きですが、たまには論文なんかも書いてみようかとワタクシ思ったり思わなかったり。
(山科)