日本一亭南陵会

3月3日、ワッハ上方4階・上方亭で行われた、第41回「日本一亭南陵会」を見に行ってきました。
「日本一亭南陵会」は月例に行われている講談会で、今年から会場がワッハ上方の上方亭になったそうです。

番組は下記のとおり。

南陽さんの『大塩政談』は、大坂町奉行所与力の大塩平八郎が、大事な家宝を質屋にだまし取られた貧乏夫婦のために一肌脱ぐというお話。古典講談だと思って聞いていましたが、あとで師匠の南陵さんが「これは私が作ったんです。『偽古典』なんですよ」とネタばらし。見事にだまされました。


小二三さんの『西遊記』は、有名な西遊記の中でも、孫悟空羅刹女の対決する話を演じられました。天竺へ向かう三蔵法師一行が、燃え盛る火焔山の火を消すために、風雨を呼ぶ宝・芭蕉扇を持つ羅刹女と戦うくだりです。
ドラマや漫画、アニメなどにリメイクされている西遊記ですが、講談で聞くお話はまた別の味があり、女流講談師である小二三さんの演じる羅刹女は何ともいえぬ妖しい魅力がありました。


南半球さんが南陵会で『ガンダム講談』を演じるのは、これが初めて。昨年の東京侵攻作戦のときに富野由悠季氏から「ファーストを全部講談でやるように頑張って」と励まされた南半球さん。その言葉を守るために、これから南陵会でもやっていくとのこと。
今回が初ということで、物語もファーストの冒頭からでした。サイド7に潜入したデニムとジーンの描写を中心にストーリーが進行します。南半球さんの『ガンダム講談』はいつもジオン側の視点なので、タイトルも「ガンダム大地に立たすな!」となっています。
ガンダムが立ち上がってくるところは、講談の醍醐味である「修羅場読み」の技法で、だだだーっ!と勢いよく描写。まさに、立て板に水の如し。南半球さんの「修羅場読み」は師匠の南陵さんが褒めるほど見事で、ガンダムを知らない方も皆聞き惚れているようでした。


とりは4代目 旭堂南陵さん。ゲーム『太閤立志伝』にもエピソードが取り入れられている講談の「太閤記」。この講談「太閤記」は2代目 旭堂南陵が作り上げたものだそうです。今日の演目はその「太閤記」。主君を求めて浪人をしていた木下藤吉郎が、頓蔵主(とんぞうす)という易者と出会います。藤吉郎の相がよほど興味深いのか、易者は「お金を払うからあなたの人相・手相をじっくり見せてくれ」と言いだします。はてさて、藤吉郎に一体、どんな相がでていたのか?
講談をきちんと聞くのは今回が初めてだったのですが、それでも南陵さんの講談は「さすが!」と唸ってしまいました。前に演じられた御三方の話を拾い上げながらの枕にぐっと引き寄せられ、すっと本編に入っていきます。淀みなく聞き心地のよいリズム、一言一言がユーモアに満ちていて、本当に楽しい。正直を言いますと、講談ってもっと堅苦しいものなのかと思っていました。ですがそれは誤りだったんですね。もっともっと聞いてみたいと思いました。


次回は4月8日(火) 会場・ワッハ上方4階・上方亭 18:30開場/19:00開演 料金・1000円
詳細は http://kyokudou.exblog.jp/
興味のある方は、ぜひどうぞ!

(山科)