続・TRPGは今どうなっておるのか?

http://d.hatena.ne.jp/D-yamashina/20080301 の続きです。
とあるゲームショップからのニュースメールに記載されていた、テーブルトークRPGの新製品リスト。なんと1作品を除き、その他の製品はすべて過去に販売されたTRPGの「リメイク」製品、及びそれらに関するサプリメントやシナリオ集だったのです。

『深淵第2版』は、97年にホビージャパンから発売された作品のリメイクです。『D&D日本語版』が最初に発売されたのは1985年のこと。『ウォーハンマーRPG』が翻訳出版されたのは1991年、『クトゥルフの呼び声』は1986年発売です。『アルシャードff』は2002年に発売された『アルシャード』の改定新版にあたる作品ですし、『アルシャードガイア』は同じシステムを使用するスピンオフ的な作品です。『セブン=フォートレス メビウス』は『セブン=フォートレス』シリーズの第4バージョンで、これまたリメイク作である『ナイトウィザード The 2nd Editon』と同じルール体系になっているのが特徴。2003年に発売された『六門世界RPG』のルールを大幅に変更し第2版として生まれたのが『六門世界RPG セカンドエディション』です。
リストの中で、完全新作のタイトルは『エムブリオマシンRPG』だけでした。

偶然なのかもしれません。私が見たときの新製品情報がたまたま偏っていただけかもしれません。しかしここまで極端ではなくとも、発売されているTRPGのうち、相当の数を「リメイク」製品が占めているのではないでしょうか。ここでは、そうだと仮定して話を進めます。


当然ながら疑問が生まれます。「なぜ、こんなに新作が少ないのか?」と。
もっと踏み込んで言うなら、「なんで、私がTRPGしていた頃とあんまり変わり映えがないの?」と。

そこで、自分なりに導き出したのは「もしかしたら、TRPGをプレイする人々はもう何年も変わっていないのではないか。新規参入者をほとんど獲得できていないのではないか」という推論です。
この疑問が非常に難しい問題をはらんでいることは、自覚しています。議論する余地も十分あります。例えば、新しいタイトルを出すことが既存のシリーズ展開を阻害する可能性もあるでしょう。ですので、いまここで「新作タイトルが少ないことが、良いことなのか悪いことなのか」という問題に、安易に言及することは避けたいと思います。
ここまでグダグダ長々と書きましたが要は、新製品情報をきっかけに、「今のTRPGって、新規参入者を獲得できてないんじゃないの?」という妄想を抱いてしまった、というわけです。


とあるブログで、「1980年代後半〜90年代前半のTRPGブームは一過性のものであり、現在の状況こそが身の丈に合ったTRPG市場だ」という意見を読みました。日本のテーブルトークRPGのプレイ人口は今までまともに調査されたことがありません。ですから、正確な数字は誰も把握していないのですが、出版点数やコンベンションの開催数から推測するに、現在のプレイ人口は最盛期よりも減少しているとするのが一般的な見解です。

過剰ともいえるほどTRPGが供給されていた当時を思い返し、「なるほどなぁ」と頷きながら読ませていただいたのですが、一方で「今のTRPGの市場が正常な状態というならば、もしかしてTRPGの未来ってものすごく暗いんじゃないの?」なんて、ふと考えてしまったわけです。

すみません。また次回に続きます。

(山科)