御石神落とし

3月半ばから更新が滞っておりました。お詫びいたします。
私事以外の何者でもないんですが、「こりゃ、いかん!非常に拙い!」と反省することしきり。
先日のレビューから、2人体制でこのブログを運営しております。心機一転頑張っていきますので、何卒宜しくお願い致します。

御石神落とし 6 (ジェッツコミックス)

御石神落とし 6 (ジェッツコミックス)

薬物中毒の女性と画家の青年との愛を描いた長編「お花畑で会いましょう」や、その他男性誌を中心に評価の高い短編を描いてきた増田剛。そして代表作は『カルラ舞う!』、ベテランのオカルト漫画家・永久保貴一。『御石神落とし』二人の力が見事にマッチした傑作です。

簡単に言いますと、性を司る神様、御石神様にとり憑かれた主人公の大学生・神成豪。彼がきまぐれな御石神様によって、様々な時代の様々な性の風習や経験をするというもの。

日本の性の文化について、色々と詳しくなる漫画でございます。頭に浮かぶ「とんまつり」の光景に合点もいくわけです。永久保先生も自分で仰っていますが、演出や誇張はありますので、そのまま100パーセントが真実なわけでもないのですが。まあ、それでも読んだ直後は「これが本当に日本の話なのか……」と衝撃を受けること必至。

永久保先生といえば、その取材力の高さと、難しいことを簡単に噛み砕いてみせる技術においては凄いお方ですから、今作もエッチモノにありがちな意味のない話ではなく、読み物としてもさすがの完成度。
そして、増田“うらまっく”剛先生の「エッチなのに清潔感のある女性」は、ある種、理想の女性像。たくさんの可愛い女性とめくるめく体験をする主人公に嫉妬してしまうぐらいです。
お二人の長所が上手くかみ合って、深刻な話に成りかねない「エグイ」部分の生臭さをすっきり抑え、からっと明るく楽しく、エッチ成分は山盛りに。

最新刊が今月発売ということで、非常に楽しみです。

『私…昔の日本人の心 少しわかりまーす 人はみな自然に生かされてました 本当に… 本当にそうでした』(豪とともに明治時代へのタイムスリップを経験した留学生・メアリーが、民俗学の講義にて「間引き」の話を聞いたときの反応)

御石神落とし 7 (ジェッツコミックス)

御石神落とし 7 (ジェッツコミックス)

(山科)