ムカンノテイオー
業界の内幕が好きです。
多かれ少なかれ、人間にはそんなところがあるらしく、
ギョーカイの話は、ドキュメンタリー風のも、ゴシップ風のも人気がありますね。
華やかで、知らない世界ほど知りたいということで、『ムカンノテイオー』。
ムカンノテイオー 4 (ヤングガンガンコミックス)
玉置 一平
スクウェア・エニックス 2008-05-24
by G-Tools
元暴走族のリーダー(?)だった藤田平蔵。
ひょんなことから「六本木テレビ(RTV)」というテレビ局の
制作プロダクション「六本木テレビシステムズ」でADとして働くことになった。
正義感が強く、一本気なバカである平蔵が、
テレビという世界で生き抜く、テレビ業界漫画。
毎日見ているテレビ番組。
一体どんな風に作られているんだろう?なんてのが、赤裸々に描かれます。
テレビ業界と何の関係もないわたしには、
それがリアルかどうかは、よく解らないのですが。
マンガの本編と、コミックについている平蔵と上司の対談で、
ちょっとヤバめの話も含めて、いろいろと教えてくれます。
4巻で完結してしまったのが残念。
もっといろんな内幕を見せて欲しかったのですが。
4巻には、死体や既に死んでいる人が登場する場面が
いくつかあります。人を殺そうとする瞬間のヒトコマも。
そんな死に向き合っている人の描き方が素晴らしいなと思います。
怖くて、グロテスクで、どこか滑稽で。
怖いのに何度も見てしまう。
観たくなる。
『ムカンノテイオー』の作者・玉置一平さんが関わった
『クロス探偵物語』というゲームでも同じような感想を抱きました。
クロス探偵物語1 前編
ワークジャム 2000-09-28
by G-Tools
ご本人が
絵はもちろんコンテ切りからシーン切り替わりののタイミング取り、表情、口パクのタイミング取りまで
手がけたと仰るこのゲーム。
とにかく犯人の様子や、人が死ぬシーンの演出が抜群でした。
ホラーでもないし、とくに「怖がらせてやろう」という雰囲気も感じないのに、
意表のつき方が上手というか、
見せるところとそうでないところの切り分けがスゴイというか、
タイミングがキマリすぎているというか……
テレビの中で展開するゲームだとわかっていても、
おびえずにはいられませんでした。
だから怖くて仕方なくて、最後のシナリオには、
なかなか手がつけられなかったのでした。
次の作品は、どこでいつ描かれるのかわかりませんが、
新連載(読みきりかも)の情報を楽しみに待ちたいと思います。
(メカタ)