回転銀河
恋愛の話はやっぱり好きです。
とくに切なくて、胸が痛くなってしまうような話が。
だから付き合い始めてからの話ではなくて、
片想いの話とか、好きになってはいけないような人を
好きになってしまうような話の方がいい。
心の動きがすごくわかって、胸がギュぅっと締め付けられるようなの。
そんな切ない話が、思う様堪能できるのが『回転銀河』。
というわけで、約3年ぶりに出た『回転銀河』の新作。
手芸部の部長や途中で転向してしまった松崎君など、
ワキキャラがクローズアップされているほか、あの美形双子の話も。
回転銀河 5 (5) (講談社コミックスキス)
海野 つなみ
講談社 2008-08-11
by G-Tools
高校生たちの恋愛模様を繊細なタッチで描く、珠玉のオムニバスシリーズ
それぞれの話は独立しているけれど、
別の話に出てきた人が次の話の主役になったり、
ひとつの話を別の側面から見たりと、互いに少しずつ関係しています。
あちらこちらで、別の話のキャラクタが少しずつ登場するのは、
シリーズで読んでいる人にとってはうれしい話。
しかし、もちろん何も知らなくても楽しめるようにしてあります。
5巻には、別の巻で一度描いた話を、
別の人視点で描いたものがあります。
別の巻では「困った奴だ」と思っただけだったキャラの内面を知ると、
痛くて、物悲しい話が詰まっていて。
少し困った奴であることには変わりありませんが、
でも、見る目は確実に変わりました。
こんな描き方も、素敵だなぁ。
作者の海野つなみさんは、
元々「天体観測」というタイトルにしたかったそうですが、
歌やドラマに先を越されたので、この名前になったのだとか。
互いに少しずつ関係のある人々が作り出す恋愛模様は、
ひとつひとつが輝く星のようで。
遠くから見ると、もしかしたら銀河のように見えるのかも!
などと思えるこのタイトルの方が、作品イメージに合ってるのでは?と
思ってしまいました。
(メカタ)