自転車はどこを走るのか

『アオバ自転車店』11巻で、自転車行政を主題にした話がありました。
それが第４話「ステキな道」です。

アオバ自転車店 11 (ヤングキングコミックス)

「自転車はどこを走るのか」という問題をきっかけに、
何十年かにおける自動車の巨大化や、歩道の整備により、
車道を走る自転車はどんどん危険な状況になっているという論理が展開されます。
漫画の中では、そのためのひとつの解決策として
「歩道に作られた自転車専用レーン」に注目しています。

「自転車はどこを走るのか」という問題は、
ネット上でも議論されているのをよく見ます。
法的な面から、実用的な面から、
さまざまな意見をさまざまな人が論じています。

私個人の意見としては、ルールの是非や行政のありかた以前に
「自転車はどこを走るのか」なんて考えたこともない人が
たくさんいる現状をなんとかしないといけないように思います。
歩道・車道の問題だけでなく、左側通行であることもあまり理解されていません。

自動車優先の行政や、教育の機会や場がないことなど、
自転車に関する規則を知らない人が多い理由は様々だと思いますが、
自転車の交通ルールをもっと伝える機会があってもいいのではないでしょうか。

『アオバ自転車店』の読者は、すでに自転車行政や交通ルールに敏感な方が多そうなので、
例えば『弱虫ペダル』なんかで、自転車の正しい走り方を書いてくれたらなぁ…なんて。
本編に組み込むのは無理そうなんで、番外編なんかで。どうでしょう？
確かに「そんな説教臭いもの、だれが読みたいんだ！」というのも分かります。
ですが、自転車漫画を通じて自転車文化も成熟したものになればなぁ、と考えてしまうんです。

弱虫ペダル 9 (少年チャンピオン・コミックス)

自転車の安全鉄則 (朝日新書)

疋田智さんは『自転車の安全鉄則』で、自転車事故で
年間800名以上が死亡している日本の自転車行政について
具体的な提案がなさっています。興味があればご一読を。

（山科）