もっともっと人気が出て欲しい『ツマヌダ格闘街』

ツマヌダ格闘街 9 (ヤングキングコミックス)

ツマヌダ格闘街 9 (ヤングキングコミックス)

もっともっと読まれて欲しいマンガ
上山道郎氏の『ツマヌダ格闘街』。

ストリートファイトが地域振興策として制度化された街・妻沼田市


イラストレーターを目指す八重樫ミツルは、
格安物件を探して訪れた妻沼田市で、謎のスーパーメイドのドラエと出会う。


ひょんなことからストリートファイトをするはめになった
格闘技初心者のミツルは、ドラエのアドバイスを受けて見事初戦に勝利。
献身的に仕えるドラエの力を借りながら、格闘家として成長していく。


ストーリーも面白いのだが、
とにかく爽やかで読んでいて心地いいのが素晴らしい。


格闘家を志すものの心構えのようなものが
マンガの中で何度も説かれているのだが、
非常にすがすがしく、ドロドロした部分がない。


基本的に悪人が出てこないのも珍しい。
悪の組織と戦うのではなく、
ストリートファイトというスポーツ(?)を通じて
アツイ魂を交換し合い、友情や尊敬を深めていく。



もうひとつ、端々に挟まれる格闘ウンチクというか、
体の使い方に関するアレコレが面白い。


格闘技のマンガなのに、
・肩こり解消法
・速く走る方法
・重い荷物をラクに持ち上げるには
などの豆知識まで身に着く。


もうひとつ、とても重要なのは元ネタ探し。


メイドさんの名前は「ドラエ・タチバナ=ドリャーエフ
これはドラえもん


主人公の妹「八重樫 ラミィ」はドラミちゃん。


「ジロー・王」は『おばけのQ太郎』のQちゃんの弟、O次郎
「御名本柚香」は『ドラえもん』のしずちゃんこと、源静香
「カイン・ブルツ・トゥーラッド」は『怪物くん』の主人公、怪物くん


などなど、多くの登場人物の名前が
藤子不二夫氏作品の登場人物から
つけられているのだ。


新キャラが登場するたびに、このキャラは…… と、
元ネタ探しをするのも楽しみのひとつ。


連載が続くうちに、どんどんマイナなマンガが
モデルになってきているので、元ネタを探すのも大変。
『ブラック商会変奇郎』とか『ミスドラキュラ』とか…
かなりマニアックなタイトルも…。
(山科)